遺伝だからしょうがない?!親子は体型も似てくるの?絶対に似たくないところは回避できるのか。

そもそも遺伝って何?

「カエルの子はカエル」と言われるように、外見だけでなく、性格もそっくりな親子を見かけたりしませんか?


遺伝子はDNAの一部で、私たちの体をつくっているタンパク質の設計図。

といっても、ちょっと分かりにくいかもしれないですね。
筋肉や骨、皮膚、髪の毛などがタンパク質からできているのはご存じでしょう。ほかにも、血液の成分、ホルモン、抗体、酵素など、体の機能をコントロールしているのもタンパク質です。

食事から摂ったタンパク質を材料にして、DNAにある設計図(遺伝子)をもとに、体の中で別のタンパク質がつくられます。


私たちの体は昨日と今日でほぼ同じに見えますが、古くなったタンパク質は壊され、新しくつくり替えられます。毎日タンパク質を摂らなければいけないのはそのためです。

そして、毎日違うものを食べても、設計図が同じなら、だいたい同じ体がつくられます。この体の設計図である遺伝子が親から子へ受け継がれるから、子どもは親に似るわけです。

ただし、私たちの体には似たような遺伝子が2セットあります。1セットは父親の精子から、もう1セットは母親の卵子からゆずり受けたものです。精子と卵子がつくられるときに、それぞれ2セットが1セットになり、これらが受精して再び2セットになります。そして、2セットが1セットになるとき、どういうわけか遺伝子が少し変化します。


目は父親似、鼻と口は母親似というように、部分的にどちらかに似たていたり、どちらにも似ていないところがあったりしますね。その理由は、血がつながった家族でも、一卵性の兄弟以外、皆少しずつ違う遺伝子を持っているからです。

体型や肌質は親ゆずり?遺伝子と外見の関係とは


遺伝について少し分かったところで、自分の親でもあまり似たくない部分はありませんか?「親みたいに太りたくない」という人は多いと思います。肌のシワやシミも、似たくはないですよね。
では、体型や肌質は遺伝するのでしょうか。

結論から言えば、遺伝子の影響を受けるのは確かです。でも、似るか似ないかは、また別の要因が絡んできます。生活習慣などの環境因子です。


先ほど、一卵性の兄弟以外は違う遺伝子を持っていると述べました。遺伝子の違いが、肉親は他人よりも少ないから、なんとなく似ているわけです。でも、同じ遺伝子を持つ一卵性の双子は、よく似ていても全く同じではありませんね。親なら見分けがつくでしょうし、成長するにつれ、違いがはっきりしてくるもの。こうした双子の例を見ても、遺伝子とは関係なく、見た目や性質に差が出るのは明らかです。
体型や肌質は特に、生活習慣の影響を受けやすいと考えられます。

皆さんも、不規則な生活で太ってしまったり、肌が荒れたりした経験があるのでは?親ゆずりの太りやすい性質というのもありますが、太るか太らないかは自分次第。美しくありたいなら、普段の生活習慣を見つめ直してみましょう。

親がどんどん老けていく!自分の老化も止まらない?


ある程度の年齢になると、少しでも若く見られたいもの。ふと鏡を見て、目元や口元のシワに気づくと愕然とします。親の顔も然り。いつの間にか老けてしまった親を見ると、悲しい気持ちになります。同時に、将来の自分を見るようで、不安になるかもしれません。


でも、ご安心ください。体型や肌質と同じで、老化のスピードも自分でコントロールできます。そもそも、見た目の若さは体型や肌質で決まると言っても良いでしょう。髪質や姿勢も若々しさのポイントです。姿勢以外は遺伝の影響もありますが、それよりも生活習慣が重要なのは言うまでもありません。

細胞が若返る「サーチュイン遺伝子」?!

一方、老化と遺伝の関係についての研究も進められており、寿命を延ばす遺伝子として注目されているのが「サーチュイン遺伝子」です。これを活性化することで細胞が若返ると考えられています。

サーチュイン遺伝子はほとんどの生物に備わっていますが、普段は眠っていて機能しません。では、どうすれば活性化できるのか。それは後ほど述べますが、まず知っていただきたいのは、老化も自分でケアできるということです。

親の病気は遺伝するの?がんと遺伝の関係。


さて、老化は自分で何とかするとして、病気はどうでしょうか。親の病気が遺伝するのかどうか気になりますね。「がん家系」を心配する人も多いですが、実際のところ、遺伝性のがんは全体の5%以下だとされています。遺伝性のがんは、がん抑制遺伝子の変異が原因で、特定のがんを発症しやすいことが分かっています。
ただし、それ以外の多くのがんも遺伝子が関わっており、複数の遺伝子の変異によって発症すると考えられています。遺伝子の変異は高齢になるほど起こりやすいため、高齢者の多い日本では、2人1人ががんになると言われています。
また、複数の遺伝子変異が関係する病気は、がんだけではありません。糖尿病や高血圧などの生活習慣病をはじめ、アレルギー疾患、認知症、精神疾患、先天性心疾患など、ほとんどの病気は複数の遺伝子と関係しています。これらは広い意味で遺伝子疾患ではありますが、遺伝病とは言いません。というのも、これらの病気はたくさんの遺伝因子と、たくさんの環境因子が積み重なって発症するからです。
 

生活習慣が遺伝子の働きを変える!


ほとんどの病気は遺伝因子と環境因子の蓄積によって発症しますが、環境因子は遺伝因子に大きく影響します。専門用語で「エピジェネティクス」と呼び、生活習慣などの環境によって、遺伝子の働き方が変化することが分かってきました。先ほどちらりと述べた「サーチュイン遺伝子」も、環境によって働き方が変わります。
サーチュイン遺伝子は、若返りに役立つ「サーチュインタンパク質」の設計図。通常はクチャクチャにたたまれており、設計図として機能しません。つまり、サーチュイン遺伝子はスイッチオフの状態です。これをオンにして活性化するには、カロリー制限やポリフェノールの一種である「レスベラトロール」を摂ると良いとされています。
また、運動には生活習慣病を予防したり、改善したりする効果が認められていますが、これにも遺伝子のスイッチが関わっていると考えられています。糖尿病や心筋梗塞など、様々な病気にかかわるたくさんの遺伝子のスイッチが、運動によって切り替わるのです。  

まとめ


大病をわずらうと、見た目も一気に老け込んでしまいます。そういう意味では、病気をしないことが美しさを保つ近道です。そのためには、健康的な生活習慣が重要になりますが、続けるのは簡単ではありませんね。
そこで思い出してみてほしいのは、生活習慣が遺伝子に影響を与えるという事実。「親も太っているから」とか「もう年だから」と、あきらめないでください。体型や肌質だけでなく、多くの病気と関係している遺伝子の働き方も、生活習慣を見直すことで劇的に変わります。

最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー